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Eくん

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Eくんとは、大学入学後同じクラスとなり、
割とすぐに友人になった。
彼の両親は離婚し、一人暮らしをしていた。
少し経ってから知ったのだが、
彼は、学費から生活費まで全て自分のバイトで工面していた。飲み会.jpg

そんな彼も所詮、大学生である。
たまには、合コンにも参加したいのは
やまやまである。
彼のバイト休みの日に合わせ、合コンをセッティングすると
「OK、行く行く」とノリノリ。
合コンでも普段の苦労は微塵もみせず、
3枚目キャラ爆発で、
盛り上げ役に徹していた。

ただ場所が問題だった。
町田市で、新宿、渋谷と異なり終電が早いのだ。
そんな事は全く考えていない我々は、
目一杯盛り上がり、駅に着くと12時を過ぎていた。
終電は、11時50分であった。
(小田急線何とかしてくれ~)
Eくんの住む小岩まではとても帰れないので、小田急線.JPG
僕の住む狛江を目指すことに。
そうは言っても歩くとなると
15km以上ある。
お金のない我々は、
タクシーに乗れるはずもなく、
歩く以外の選択肢はなかった。

男2人、冬の夜道をひたすら歩く。
途中、何とか楽ができないかと、
知り合いの女性の先輩に助けを求めるも
「明日、仕事。夜中に電話しないで。」との返事。
より一層、夜風が身にしみた。
人間、覚悟を決めるとできるものである。
そこからは、Eくんも僕も一言もしゃべらず、
ひたすら、アパートを目指し歩いた。
何とかアパートにたどり着き、
2人で死んだように寝た。
大学.jpg
Eくんは、生活を支える為
バイトが欠かせない。
授業への出席率は低かった。
仲間の誰もが
Eくんが卒業できるか心配していた。
同級生の中には、
某芸能人の息子で、入学時から
外車で登校するバカ息子もいた。
Eくんの4年間は、
バカ息子の4年間と異なり、
社会に出れば、きっと役立つ人材と
認められると思っていた。

卒業式の日、追試をクリアしたEくんと
いつもの明るい顔で会うことができた。
残念ながら、転居の関係などで卒業後のEくんが
どうしているのか、わからなくなってしまったが、
きっと、たくましく生きていることは信じて疑わない。







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